ハム太郎は24時間見続けても楽しめるのか?
アニメハム太郎はとても面白い。そのハム太郎は現在ABEMAの有料プランで全296話+映画・OVA8作品と、膨大な数を視聴できる。私はこれまでに第34話まで視聴した。しかし、未視聴分はまだまだある。
これを24時間見続けたとして、どれぐらい視聴できるのか?
そして、飽きることなくなお「面白い」と言えるだろうか?
これはやってみるしかない。
皆さまにおいては暇人をこじらせるとこうなるという反面教師にして頂ければと思う。
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2025年7月20日 午前 7時00分

この日は3連休の中日。いい天気。そして朝からセミの大合唱。
前日に深酒をしたせいで結果的に早起きしてしまった。この日は選挙の投票日。7時過ぎに投票所へ向かう。二日酔いでハム太郎を24時間見続ける人間にも投票権がある日本の選挙制度は不思議だ。
自宅に帰り、炊飯器のスイッチを入れる。そして3食分の味噌汁を作る。この後から一心不乱にハム太郎を見続けるため、事前準備を整える。
◆ハム太郎24時間視聴 ルール
・「とっとこハム太郎」を1話ずつ、24時間見続ける。
・オープニング、エンディングスキップなし。倍速もなし。
・食事やトイレなどは可。睡眠は不可。
・だらだら見ない。ちゃんと各回ごとに感想を述べる。
午前9時00分 視聴開始

準備を整え、視聴開始。ここから24時間、最低限の生命活動以外はすべてハム太郎の視聴に費やすことになる。私は休日を無益に消費する能力に長けている。
第34話まで視聴済なので、第35話から視聴することにする。
なお、各回の感想は特に読まなくても問題ありません。
9:05 第35話 とっとこ楽しい!ひなまつり

モモちゃんのためにハムちゃんずがおひな様に扮するひな祭り回。
ハム太郎が「自分で言うのもなんだけど、明るくて結構人気者なのだ」と言うシーンあり。自分で言っちゃうのね。ひな祭りなのでちーずが活躍する良い回であり、ハムちゃんずが人間に見つかるという初めての回でもある。これ以降モモちゃんだけはハムちゃんずの姿を見ることが許された唯一の存在になる。
9:30 第36話 とっとこさよなら!リボンちゃん

リボンちゃんが引っ越しのためフランスに帰ることになり、お別れ会をする回。
ショックでやつれて寝込むタイショー。しかも最後の最後にリボンちゃんに告白できず、言いかけていたことを問い詰められておどけるタイショーが切ない。みんなに向けた「私のこといつまでもおぼえていてほしいでちゅ」というリボンちゃんのセリフも泣ける。良い回。
9:55 第37話 とっとこ元気だ!じゃじゃハムちゃん

フラワー牧場へ遊びに行く回。最終回の伏線(?)になるじゃじゃハムちゃんデビュー回でもある。
第8話でハム太郎を放し飼いにして見失ってるのに、こりずにまた放し飼いにするロコちゃん。世が世なら炎上案件だ。ダイスケさんが「じゃじゃハムっていうメスのハムスターと暮らしてるんだ」と言っていたが、「メスのハムスター」っていう言い方はすごく対象を動物然としたとらえ方で新鮮だった。
10:20 第38話 とっとことどけ!大事な手紙

ロコちゃんが昔住んでいた友だちと連絡を取って再会を願う回。
自宅の固定電話や公衆電話で電話をしたり、引っ越しで遠く感じられる存在になったり、郵便屋さんを待ち受けて手紙が来るのを楽しみにしたり、描写にいちいち時代を感じる。
途中、手紙に思いっきりロコちゃんの自宅の住所が書いてあり、「港南区東ヶ丘」とある。ハム太郎の聖地が横浜という根拠はそのままこれというわけか。
ハムスターと人間サイドが繋がる、とっとこハム太郎らしい良い回である。
あと友だちのユミコちゃんの声優がベッキーでニヤリとした。
10:55 第39話 とっとこ空飛ぶ!ハムちゃんず

ハム太郎が空を飛びたいと頑張る回。
2話連続でトンガリが登場する珍しい回である。そして悪役になりがちなタイショーとまいど。久しぶりのハム太郎が中心になって展開する話。なんやかんやありすぎて、ついに空を飛ぶハムちゃんず。だがその中にねてるくんだけがいない。かわいそう。
11:13 第40話 とっとこ咲かそう!友情の花

お花見に行けないリボンちゃんのために、ハムちゃんずが頑張る回。
これ以降定番となる、ロコパパとカナパパの対決が展開される初めての回。初期には珍しく人間パートの尺がそこそこ長い。
考えるハムちゃんずへねてるくんから「お花見はどこでもできる 咲かせよう友情の花」とアドバイス。そういえばねてるくんってアイデアマンって位置付けだったなと思い出させてくれるワンシーンだ。
11:37 第41話 とっとこドキドキ!博物館

人間パートに尾行して博物館でドタバタする回。
「関西名物お好み焼き味のヒマワリ」をプレゼントするまいどが良い。まいどはキャラのブレが少なく初期から完成されているなぁと思う。対照的に、のっぽの味覚が狂っているという変なキャラが発覚。これはこれで面白いが。「難しいこと考えすぎて好みがおっさん化している」というまいどの解説も良い味を出している。ハムちゃんずの変顔がたくさん見られる個人的に好きな回。
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午前12時00分 3時間経過

映画一本分ぐらいの時間が経過した。少し疲れてきた。しかしこんなところで疲れているようでは到底続かない。軽く昼ご飯を食べて、すぐに続行。
12:06 第42話 とっとこようこそ!じゃじゃハムちゃん

じゃじゃハムちゃんが遊びに来てドタバタする回。
こうしの「僕じゃじゃハムちゃんが遊びに来てくれて……とってもうれしいです!」というセリフがとてもかわいい。こうしもこういうところがなんだかんだ愛されるキャラだと感じる。
ハム太郎が「ねてるくんは時々意味の分からない寝言を言うのだ!」とサラリとひどいことを言っているシーンが笑える。
12:33 第43話 とっとこまごころ!大作戦

ニワトリトリオが暴走する回。
「どんな小さな動物も愛をこめて接すれば必ず真心が通じる」という山田先生の言葉がサクラさんに響き、のちに結婚へと展開する起点となる話だ。
気を失ってもなおトウモロコシを離さないこうしに対してメガネが「すくいがたい意地汚さの持ち主ですねえ」と辛らつなコメントをしているのが印象的。
12:59 第44話 とっとこ大好き!おじいちゃん

変態発明家のおじいちゃんの初登場回。メカじろうが来るかと思ったがここではなかった。
寝起きで頭ぼさぼさのロコちゃんやぐるぐる目のハム太郎が見どころ。
13:28 第45話 とっとこおどろき!水族館

人間パートに尾行して水族館でドタバタする回。
リボンちゃんの好奇心が仇となってピンチに陥る役回りで、ほぼちび丸ちゃんポジションになっている。水族館を竜宮城と勘違いして長居すると歳を取ってしまうと、早く脱出を試みるハムちゃんず。こういう全員勘違いしてドタバタするお話は定期的にある。
13:53 第46話 とっとこファイトだ!運動会

人間パートに倣ってハムちゃんずも運動会を開催する話。
前の話に続きロコパパとカナパパが対抗し合う回が続く。ハムちゃんずの運動会ではタイショーとトラハム兄が運動能力を競い合う、以前にもあった熱いバトルが見られる。良い。また、いつも仲の良いハム太郎とこうしくんが小競り合いをする珍しいシーンがある。
14:20 第47話 とっとこお見合い!らぶらぶ大事件

リボンちゃんの入れ知恵でお見合い写真が入れ替わり山田先生とサクラさんがお見合いすることになりドタバタする回。
恋バナが大好物のちーずが描写されるシーンは見逃すわけにはいかないだろう。
また、池でおぼれた山田先生に手を合わせて成仏を願う、残酷なハムちゃんずが描かれているところも必見だ。
14:44 第48話 とっとこ脱出!地下ハウス

台風で地下ハウスが浸水し、ハムちゃんずが大ピンチに陥る回。
寝たきりのねてるくんが一瞬体を起こすほどの危機に、あきらめムードが漂うハムちゃんず。しかしそこで「みんなもうちの人に会いたいでしょう!?だったらあきらめちゃダメなのだ!」と鼓舞するハム太郎のリーダーシップに心を打たれる。そしてわずかな隙間から抜け出したちび丸ちゃんが呼んできた救世主は――。映画にしても良いぐらいの神回
。
楽しい一日ではなかったため、ロコちゃんの最後のセリフが「明日は素敵な日になるよね」と少し変則的になっている。
15:13 第49話 とっとこさがせ!幸せのペンダント
 ロコちゃんのママが大切にしていたペンダントをハムちゃんずが探して届ける話。
ギターが鳴り響くと確定演出、トンガリの登場回。やはりトンガリは良いキャラだと思う。
かぶるくんが欲しいものを「くじらのおへそ」と言うシーンがあり、何やら趣味が特殊だと思った。
話の中でハムちゃんずが200%のジュモンとダンスを少しだけ踊ってくれる大サービス回である。また、ロコパパとロコママの出会いが語られるなど、見どころの多い回だ。
15:43 第50話 とっとこゆれるよ!遊覧船

人間パートに尾行して遊覧船でドタバタする回。
イケメンの木村君が珍しく弱いシーンがあり、ぐるぐる目まで見られる。
また、海の男を自称するわりに船に弱いタイショーもまた哀愁が漂う。
16:07 第51話 とっとこなかよし!トラハム兄妹

トラハム兄妹がけんかをする回。
これはもうタイトルだけで確定の神回。最後に仲直りをするために兄から妹へプレゼントするのだが、実はお互いにプレゼントを用意していたという双子のシンクロ。この二人が生きているだけで世界がきらめく。
16:36 第52話 とっとこ参上!ハムハム小僧

定期的にあるロコちゃんとハムちゃんずが夢の中で共演する回。
定番のまいど悪役、本当に使いやすいキャラだ。「みんなまとめていてこましたる!」というコテコテの過激なセリフもあり。何の説明もなくいきなり頭巾が真っ青なちび丸ちゃんが心臓に悪い。
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午後5時00分 開始後8時間経過

仕事なら定時ぐらいの時間が経過した。座りっぱなしで尻が痛くなってきた。ハム太郎はやっぱり面白い。でもまだ3分の1だ。本当に行けるのかこれ。
17:02 第53話 とっとこ七夕!じゃじゃハムちゃん

じゃじゃハムちゃんが遊びに来る七夕回。
ここでオープニングが変わる。「やぁみんな! くしくしくし……はむはー!」の懐かしさに目頭が熱くなる。
比較的短いスパンでじゃじゃハムちゃんが再登場。やはりサブのハムちゃんずの中ではキーとなる存在であることが伺える。前回と異なり、今度はこうし側がトラブルメイカー役となる。じゃじゃハムとはいいカップルと言える。
17:29 第54話 とっとこアイドル!くるりんちゃん

記念すべきくるりんちゃんの鮮烈デビュー回。
冒頭から名曲「ラブラブアタック大作戦」が流れる激アツ展開。
やはりくるりんちゃん回と言えば、ハムちゃんずが束になってくるりんちゃんにLOVE全開で襲い掛かる感じが最高だ。この時点ですでにパッケージが出来上がっている。イヤイヤながらも表情豊かなくるりんちゃんにほっこり。いやもういつまでも見てられる。ラストが黒丸にキャラが消えていく演出も古臭くて完璧だ。
ここで夕飯を食べる。数時間ぶりに視聴を中断したが、ハム太郎やちび丸ちゃんの声が脳裏にこだましており、軽度の幻聴の症状が認められる。
18:29 第55話 とっとこホント!迷子のロコちゃん

ロコちゃんが家出をする回。
「CDプレーヤーを買ってもらえない」という設定にこれまた時代を感じる。さらにロコパパは「CDでもMDでも何でも買ってあげる」とも言っている。若い人は分からないのではないか。
まいどくんの「タイショーくんに女の子の心が分かると思うか」との質問にマフラーちゃんとトラハムちゃんが「ちっとも」と全力で首を振るシーンに涙を禁じ得ない。
18:54 第56話 とっとこ燃えろ!海の若ダイショー

その女心の分からないタイショーくんがリボンちゃんとクルージングする回。
物語を通して煮え切らない様子で告白もできず、失敗ばかりのタイショー。このかっこ悪い姿こそがタイショーの魅力だ。あと、外出先ではどんちゃんがすぐ逃げ出しがち。
19:19 第57話 とっとこ怖いぞ!峠のおばけ

山田先生の実家に遊びに行ってハムちゃんずが峠で道に迷う話。
「私もう歩けな〜い」というトラハムちゃんがかわいい。あとロコちゃんは少し前に家出したばかりなのに、すぐいなくなる。長老ハムがオチに使われているが、あらためて初期のハム太郎を見ていると、長老ハムはサブのハムちゃんずの中では異例と言っていいぐらい出番が多く、おそらくトンガリくんよりも多い。準レギュラー格だ。
19:47 第58話 とっとこさわやか!夏の風

マリアちゃんがスランプに陥って励ます回。
トンガリくんが名曲「風の歌を歌おう」を作中で歌ってくれるシーンは必見。
午後8時00分 開始後11時間経過

窓の外が暗い。気が付けば夜になったようだ。イヤホンをずっとつけていたので頭が痛くなってきた。
ちょっと気分を変えるためにここで劇場版を視聴することにした。
20:14 劇場版第1弾 ハムハムランド大冒険

ハム太郎がロコちゃんの誕生日にプレゼントを用意したのに相手にしてもらえず家出をして、夢の国「ハムハムランド」に迷い込む話。
ハム太郎が家出をしてしまう動機があまりにも繊細で、普段なら「ロコちゃんが戻ってくるまで待つのだ!」とでもなりそうなものだが、そのあたりは劇場版ならではといった展開か。そこからの、マフラーちゃんがハム太郎の性格を問われて「さみしがり屋かもしれない」と言わせる流れは、マフラーちゃんはの包容力が表れている良い描写だと思う。
そして、ハム太郎ファンが名前を聞くだけで懐か死してしまうミニハムず。近い将来、無形文化財に登録されることが確実視されている(個人の感想です)。やはり良い。
残念なのは、劇場版通してだが、ハムちゃんず全員が一律に同じ行動を取っていて、個性豊かなハムちゃんず一人ひとりの魅力が伝えられていない気がする。こうしの食いしん坊が炸裂するとか、まいどのダジャレが滑るとか、パンダが得意の工作で貢献する、とか。1シーンだけでも良いので、もっと要所でストーリーに絡んで欲しいと感じる。
ただ、ミニはむずやDJハム、すっしーず、ボスキャラとその側近……次々とキャラが登場する、ワイワイワチャワチャなミュージカル感は楽しめたし、ハム山竜之介というキャラは弱さと強さがあってキャラが立っている。その点は評価したい。よくよく見ると悪者はいないという構成も良いと思う。
21:22 劇場版第2弾 ハムハムハムージャ!幻のプリンセス

夢の中に現れたハムスターを訪ねて、ハムージャ王国の平和を取り戻す話。
たくさん通常回を見た後に劇場版を見ると、リアクションが派手だったりテンションが高かったり、そこらへんは映画仕様だなと思う。解釈違いとまでは言わないが、キャラクターが等身大という感じはない。
サバクーニャという気持ちいいぐらいの悪者を倒す分かりやすい勧善懲悪のストーリーだが、ハム太郎のキャラとしては「倒す」じゃなくて「仲良くなる」が回答じゃないか?とも思う。
そして賛否があるであろう、ハム太郎が恋に目覚めるシーン。シェーラ姫にキスされたことで心に変化が生ずる。また最後に結ばれなかったことへの葛藤と気付きもあり。天然鈍感キャラにここまでさせる理由付けとして十分かと言えば疑問だが、まさに恋に理由などないという無理やりに理解してしまえば、映画という特別感ある条件下なら意外と悪くないと思う。個人的に私はタロリボ派なので、そんなどこの馬の骨とも分からない奴と付き合ってはイカン!!ワシャ認めんぞぉっ!!!と思うが、まぁここにリボンちゃんが絡んでほしかったかな、とは思う。
後はハムハムハムージャがシンプルに名曲なんよな。
22:57 第59話 とっとこピンチだ!ライバル登場

満を持してのロベルト初登場回。
劇場版の後に通常回を見ると旅行から実家に帰ったような安心感がある。
ロベルトは爽やか好青年の木村くんとは真逆の尖ったキャラで、終始ほのぼので進みがちな物語に良いアクセントを与えている。ロベルトにネズミ呼ばわりされてふくれっ面になるハム太郎がかわいい。
23:24 第60話 とっとこがんばれ!にわとり大会

山田先生とサクラさんが厳しい父親に認められるため奮闘する回。
山田&サクラ回を見るのは本日3回目なので「またこいつらか」と食傷気味であるが、13話ぶりであるのでどう見ても一気見している自分のせいである。
23:50 第61話 とっとこさがそう!宝物

ハムちゃんずが宝の地図を発見して宝物を探す回。
長老ハムとおハムばあさんが公認カップルという事実を強く裏付ける回でもある。長老ハムはスタッフに愛されているのか、サブハムにしては登場回数が群を抜いている。
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2025年7月21日 午前 0時00分 開始後15時間経過

日付が変わって残り9時間。もう時間の感覚が分からなくなってきた。
でもハム太郎は面白い。面白すぎて血を吐きそうだ。
次回へ続く。
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